ジャムが大量に使われれば、パンも消費は大きい

公共団体のオープンデータを見ています。
こんなデータをマーケティングに使えないわけがありません。
あるデータと、別のあるデータの関連性を地域別に見てみたい。傾向がわかれば、これを見てくれる読者(販売者、マーケッターなど)にも有益になるようなものを図式化したいという思いです。
思いついたデータとは?
本日思いついた、データとデータ。それは、
ジャムとパン
です。正確には、ジャムの消費がデータとしてありました。それを考えたときに、つながるのは、まずパンが浮かびます。つまり、ジャムがたくさん消費されればされるほど、パンの消費も多いのではないか?という仮説です。
前提として
今回も 相関性については、今回グラフ上では「曲線的な」関連性を示す、決定係数も出しつつも、わかりやすく「相関係数」としてその数値をもって、関係性が強いのか弱いのかを示します。
相関係数からはざっくりですが、
- 相関係数が1に近い : 正の相関
- 相関係数が-1に近い : 負の相関
- 相関係数が0に近い : 相関がない
上記の3つの相関がわかります。デファクトスタンダード(経験的な事実上の標準)になっていると思われるのが、以下の基準です。この値を用いて判断していきます。
相関係数 | 相関の強さ |
---|---|
-1 ~ -0.7 | 強い負の相関 |
-0.7 ~ -0.5 | 負の相関 |
-0.5 ~ 0.5 | 相関なし |
0.5 ~ 0.7 | 正の相関 |
0.7 ~ 1 | 強い正の相関 |
具体的なグラフでみると・・
以下のようになりました。2020年の各都道府県庁所在地別の年間の消費量のデータです。横軸にパンの消費量(g/年)、縦軸にジャムの 消費量(g/年) です。

相関係数は0.63です。かなりの相関があると言っていいでしょう。ジャムをよく使えばパンをよく食べる、という仮説は立証されました。そして相関があるだけではない、驚きの事実がここで見えました!
近畿圏が上位に固まった!
紫のプロットは岡山市も含めてますが、近畿地方です(和歌山を除く:後述)。見事なぐらい上位(右上の領域)に近畿地方が独占しました。京都市が1位です。この事実には驚き以外ありませんね。岡山が唯一違い中国地方ですが、それでも近畿に近く、言い換えれば、他の地域はどこも上位に位置してません。
ジャムとパンから連想されるものは・・
ジャムとパンの消費が多い。これらの事実をマーケティングとしてどう活かすか考えますと、私が連想するのは次には、女性です。逆に、日本の男性にパンがあれば、これに付けるものにジャムが真っ先にいくかと言われるとイメージ的には乏しく、ターゲットはそれゆえ、女性です。もっといえば関西の女性です。
ジャムとパンと女性。次にイメージするのは、紅茶があてはまるのではないでしょうか。

関西のパン屋、格式高いスーパーではもっとアグレッシブに、紅茶のラインナップを増やす、ハイグレードな紅茶を増やす、など紅茶のPRが女性により刺さるのではないでしょうか。あくまで1つの案ですが。
和歌山市が妙な位置にいた
一方、近畿圏ながら、唯一共通の領域にいなかったのが和歌山市です。ほかの近畿の市と比べると、パンもジャムもそこまでの消費量ではありませんでした。とはいえ、パンの消費は少ないわけではありません。しかしながら、近似線からの乖離が大きいのがわかります。つまり、ジャムの消費量が他県に比べ少ないのです。
近似線に近づけるという意味では、これは絶好の機会です。もっともっと、和歌山市のジャムの販売者はPRする価値があると言えると思います。
東京と埼玉は別のPRが可能
一方で、東京都区部とさいたま市は、反対方向で近似線から乖離しており、つまり、ジャムの消費が多いわりに、パンの消費がそこまであるわけではありませんでした。人口のきわめて多いこれらの地域に単に「パンをもっとPR」と言っても簡単にできるわけではありませんが、ジャムを販売する際にアグレッシブにパンもPRする機会があると良いのかもしれません。
関西圏がパンとジャムを好む理由
見事に、近畿地方の府県庁所在地がパンとジャムを好みました。この理由の推測がまだまだできてません。これを読んだ方で、何か心当たりがある方や推測できる方はコメントいただければ嬉しいです。よろしくお願いいたします。
ただ、洋風なイメージをもったおしゃれな感覚があります。
もう一つの注目は奈良市
ここで注目すべきは奈良市です。パンとジャムの消費で上位の領域に来ましたが、実は下記にも投稿した、チーズとワインの消費でも上位に奈良市は位置づけられたのです。
チーズ、ワイン、パン、ジャム。。。共通するのは洋風な飲食物である、ということです。
奈良市は洋風(欧州といってもいいか)を凄く好むと言っていいでしょう。紅茶だけでなく、ビーフ系のシチュー、ストロガノフ、ハンバーグ、トマト・クリームパスタなどなど。洋食のPRをスーパーなどでもアグレッシブにしていいと感じてます。
まとめ
今回はグラフで視覚化して、多くの傾向がみえました。
- ジャムとパンの消費に相関あり(相関係数:0.63)
- 近畿圏がその両消費の上位を独占
- 紅茶のPR、洋食のPRが近畿圏には価値がありそう
- 東京、埼玉はパンの消費のわりに、ジャム消費が多い
- 和歌山はパンの消費が多いが、ジャム消費が極端に少ない
上記の通りでした。1つ明瞭にしたいのは、なぜ近畿圏だけでパンとジャムの消費が多いのか。もし何かわかれば、コメントいただければ幸いです。
以上です。
ではでは@ちゃこぱ